まず、主語(何が)と述語・述部(どうした)をしっかり見極める。
このとき、基本的に述語・述部は(。)の前の1文節をひろう。※文節とは意味をなす最小単位

5-1.文型1 S + V(be)+P

述語が動詞でない日本文を英文にする時の文型

この場合のPは述語または述部の自立語をさす。※自立語とは1単語で意味のわかる語
また、Pは主語と次の関係がある。

Pが名詞の場合 S=P関係
Pが形容詞(形容動詞)の場合 Sの状態をPが表す関係
例1) これは ペンです。
  S 述⇒名詞+助動詞⇒自立語の名詞がP

【解説】

S⇒これは 述⇒ペンです。この文章の述語は 名詞+助動詞 であり 動詞 ではない。
だから、be動詞を使い S+V(be)+P の形で表す。
ここでPは述部の自立語「ペン」である。また「これ=ペン」(S=P)関係が成り立っている。

 

したがって、

 

S V(be) P  
これは is ペン このように単語を並べればよい。
This is a pen.  

ゆえに、This is a pen.となる。

 

ここで pen に a が付くのは次の理由による。

英語の場合、数えられる名詞はその単数形を単独で文章中に用いることができない。所有格の代名詞や定冠詞theなどの限定修飾語をつけるか複数形にしなければならない。
しかし、名詞が単数でその意味を限定する必要のない場合には付けるものがない。そこで用いられるのがこの不定冠詞a(an)である。だから通常訳さない。
この場合の「これ」は単数形であるためイコール関係の「ペン」も単数であり、限定する必要もないので不定冠詞を使った。

例2) この花は たいへん 美しい。
  S
述⇒形容詞⇒P

【解説】

S⇒この花は  述⇒美しい。この文章の述語は形容詞であり動詞ではない。
だから、be動詞を使い S+V(be)+P の形で表す。ここでPは述語の形容詞「美しい」である。
また「この花 の状態が 美しい」(Sの状態をPが表す)関係が成り立っている。
残っている「たいへん」は「美しい」を修飾する純粋な副詞である。修飾語が単語単独の場合は日本語と同じように前から後への修飾になるので、

たいへん 美しい ⇒⇒⇒ very beautiful となる。
   

 

したがって、

S V(be) P  
この花は is たいへん 美しい このように単語を並べればよい。
This flower is very beautiful.  

 

ゆえに、This flower is very beautiful.となる。

例3) 彼は 女の子に 親切だ。
  S 述⇒形容動詞⇒P

【解説】

S⇒彼は 述⇒親切だ。この文章の述語は形容動詞であり動詞ではない。だから、be動詞を使い S+V(be)+P の形で表す。ここでPは述語の形容動 詞「親切だ」である。また「彼 の状態が 親切だ」(Sの状態をPが表す)関係が成り立っている。これで文型は終了する(「彼は親切だ。」で文意成立) が、まだ「女の子に」が残っている。これは文章構成上必ずしも必要ではない。そして、文章中移動可能で「親切だ」を修飾する連用修飾語になっている。この ようなものを 付⇒付加語 と呼ぶことにする。

■付加語について

付加語は文章を構成する上で必ずしも必要ではない「いらない語」をさし、述語になる用言を修飾する副詞(*用言の連用形)および副詞的語句がなる。
そして、それが副詞的語句であり「名詞+助詞(又はこの名詞の意味を方向づける語句)」で構成されているとき、その助詞(又はこの名詞の意味を方向づける語句)の部分を英訳すると前置詞になる。
つまり、付加語であり「名詞+助詞(・・・)」の助詞(・・・)を英訳すると前置詞になる。

付加後であり 名詞 助詞(・・・) のとき
   
英訳すると 前置詞 名詞 になる。

 

この例の「女の子に」は付加語であり「名詞(女の子)+助詞(に)」で構成されているので、英訳するとその助詞は前置詞になる。

 

付加後であり 名詞(女の子) 助詞(に) のとき
   
英訳すると 前置詞(to) 名詞(girls) になる。

 

したがって、

S V(be) C  
彼は is 親切だ 女の子に このように単語を並べればよい。
He is kind to girls.  

 

ゆえに、He is kind to girls.となる

前置詞は基本的には付加語にのみ必要であり、文章を構成する上で重要なS,V,P,O,Cに付くことはない。

(第3章.日本語と英語の相違の3-1.文章の対比(D)および3-2.品詞の対比(助詞)についてを参照)

 

※注意 純粋な副詞は付加語として扱わない。