12.分詞構文

■時を表す場合:when,as soon as等で副詞節に書き換えられる。

これは、現在分詞を含む副詞句が主節全体を修飾する 付加語 になる場合をいう。
意味の上からは副詞節と同じ役割をし、接続詞を使うことでおおむね副詞節に書き換えられる。主に「時」「原因・理由」「条件」「譲歩」「付帯状況」などを表すが、その意味は前後関係から判断するほかない。
この分詞構文の場合、現在分詞には本来の進行の意味は無い。

例) アメリカにいる時、 彼は 一生懸命 勉強した。
  S V(完自)

この文章は述語が完全自動詞なので S+V(完自) の文型で表せる。
では、この文章の初めの 付 の内容を見てみよう。
ここには「いる」という動詞(連体形)を含んでいる。そして、これが「アメリカに」という付加語を伴って「時」を修飾し、全体として「勉強した」という述語動詞を修飾している。
この場合「いる」に対する主語は無く、主語・述語関係は成り立っていないので副詞句である。ただ、ただである、この場合の付加語は主語を入れた副詞節「彼がアメリカにいる時」と捕らえてもおかしくない。このような「時」を表す副詞句は分詞構文で表せる。

 

アメリカにいる時 ⇒⇒⇒ Staying in Amerika

 

したがって、

Staying in America, he studied hard. となる。
S V(完自)  

■条件を表す場合:if等で副詞節に書き換えられえる。

例) もし病気であるなら、 あなたは 家に いるほうがいい。
  S V(完自)+助動詞

この文章は述語が完全自動詞なので S+V(完自) の文型で表せる。

では、この文章の初めの 付 内容を見てみよう。
まず考え易くするために、この付加語を「あなたが 病気である」という主語・述語関係を含んでいる副詞節として捕らえてみよう。
この付加語は述語が動詞ではないので、be動詞を使い S+V(be)+C ⇒ you are ill と表せる。
「もし・・・なら」を表す副詞節は従属接続詞ifを使って導けば良いので、

 

もしあなたが病気なら ⇒⇒⇒ if you are ill となるが

 

ここで元の文章に戻ってみると 「もし病気であるなら」 は主語・述語関係を持たない副詞句である。このようにifを使って副詞節に変えられる副詞句は分詞構文で表せる。

 

したがって、

 

Being ill, you had better stay at home. となる。
S 助動詞 V(完自)
 

分詞構文はこのような書き換えができるのを基本とするが、意味の区別が意外とあいまいで、接続詞で副詞節に換えられない場合も多い。

 

初めに述べたように、分詞構文の分詞は本来の進行の意味を失った現在分詞である。

 

したがって、

 

完了形分詞構文は : having+過去分詞
受動態分詞構文は : (being)+過去分詞

 

の形を基本とし、過去分詞だけでは受動・完了の意味をなさない。

 

※受動態分詞構文はbeingが省略されて過去分詞だけ残る例が多い。