10-3.C(補語)になる現在分詞・過去分詞

■主格補語になる場合

例1) 彼女は 微笑んでいるように みえた。
  S C V(不自)

この文章は述語が不完全自動詞なので S+V(不自)+C の文型で表せる。
では、この文章の C の内容を見てみよう。
このS「彼女」の状態を表している C 「微笑んでいる」は進行の意味を持つ動詞である。
だから、現在分詞の形容詞的用法を使って表せば良い。

 

したがって、

 

She seemed smiling. となる。
S V(不自) C  
例2) 私は 興奮してきた。 (私は 興奮した状態に なった。)
      S C V(不自)

この文章は述語が不完全自動詞なので S+V(不自)+C の文型で表せる。
では、この文章の C の内容を見てみよう。
このS「私」の状態を表しているC「興奮した」は完了の意味を持つ動詞である。
だから、過去分詞の形容詞的用法を使って表せば良い。

 

したがって、

 

I became excited. となる。
S V(不自) C  

■目的格補語になる場合(この場合、述語は知覚動詞や使役動詞)

例1) 私は 彼が走っているのを 見た。
  S O(直) V(完他)

この文章は述語が完全他動詞なので、基本的には S+V(完他)+O(直) の文型で表せる。
ここでは「彼が走っている。」という主語・述語関係を持つ文章がO(直)になっている。そして、これは述語が動詞である。
このように、V(完他)が知覚動詞でそのO(直)が述語動詞を含む文章構成を持っている場合、このS⇒彼がをO(直)に述語動詞⇒走っているをCにして  S+V(完他)+O(直)+C の文型で表す。この場合、「走っている」は進行を表す動詞であるから現在分詞を使って表す。

 

したがって、

 

I saw him running. となる。
S V(完他) O(直) C  
例2) 私は 名前が呼ばれるのを 聞いた。

S O(直) V(完他)

この文章は述語が完全他動詞(知覚動詞)なので、基本的には S+V(完他)+O(直) の文型で表せる。ここでは「名前が呼ばれる。」という主語・述語関係を持つ文章がO(直)になっている。そして、これは述語が動詞である。
このように、V(完他)が知覚動詞でそのO(直)が述語動詞を含む文章構成を持っている場合、この S⇒名前がをO(直)に述語動詞⇒呼ばれるをCにして  S+V(完他)+O(直)+C の文型で表す。この場合、「呼ばれる」は受動を表す動詞であるから過去分詞を使って表す。

 

したがって、

I heard my name called. となる。
S V(完他) O(直) C  

この例1・例2に関しては、文型6で述べたように、このように考える。
しかし、ここでこれらの例のO(直)の内容を見直してみよう。
例1のO(直)「彼が走っている。」は進行形「He was running.」
例2のO(直)「名前が呼ばれる。」は受動態「My name was called.」
と表せる。

 

形にこだわる英文では、進行形や受動態などは、あくまで形として捕らえるのが自然である。しかし、ちょっと見方を変えてみると(もちろん、現在分詞・過去分詞は形容詞として捕らえる)、これらは S+V(be)+P の文型と考えられる。

進行形 He was running.

S V(be) C
  彼(He)が走っている(running)状態。
つまり、Sの状態をPが表す関係。
       
受動態 My name was called.
  S V(be) P
 

名前(My name)が呼ばれる(called)状態。

つまり、Sの状態をPが表す関係。

このような捕らえ方をすれば、現在分詞・過去分詞の形容詞的用法を目的格補語として考え易くなる。

例3) 彼は 髪を カットして もらった。
  S O(直) C V(不他)

この文章は述語が不完全他動詞(使役動詞)なので S+V(不他)+O(直)+C の文型で表せる。
では、この文章の C の内容を見てみよう。
この O(直) 「髪」の状態を表している C 「カットして」は完了の意味を持つ動詞である。
だから、過去分詞の形容詞的用法を使って表せば良い。

 

したがって、

 

He had his hair cut. となる。
S V(不他) O(直) C