やはり、これも動詞を形容詞化し、形容詞句を作る手段の一つである。
10-1.現在分詞の形容詞的用法
この用法は進行の意味を持つ動詞が名詞を修飾する時に使う。
(現在分詞は進行形で使ったので)
■例を挙げてみよう。
例1) | 私は | あの泳いでいる少年を | 知っている。 |
S | O(直) | V(完他) |
この文章は述語が完全他動詞なので S+V(完他)+O(直) の文型で表せる。
では、この文章の O(直) の内容を見てみよう。
ここには「泳いでいる」という進行の意味を持つ動詞(連体形)を含んでいる。そして、これが「少年」という名詞を修飾している。
この場合も「泳いでいる」に対する主語は無く、主語・述語関係は成り立っていない。
だから、現在分詞の形容詞的用法を使って表せば良い。
この例では、「あの」も「泳いでいる」のそれぞれ単独で「少年」という名詞を修飾しているので、日本語と同じように前から後ろの名詞を修飾する形をとる。
⇒ |
したがって、
I | know | that swimming boy. | となる。 |
S | V(完他) | O(直) |
例2) | あそこに立っている人が | 私の父です。 |
S | 述⇒(名詞+助動詞)⇒P |
この文章は述語が動詞ではないので、be動詞を使い S+V(be)+P の文型で表せる。では、この文章の S の内容を見てみよう。
ここには「立っている」という進行の意味を持つ動詞(連体形)を含んでいる。そして、これが「あそこに」という付加語を伴って、語句として「人」という名詞を修飾している。
この場合も「立っている」に対する主語は無く、主語・述語関係は成り立っていない。
だから、現在分詞の形容詞的用法を使って表せばいい。
この例では、「あそこに」と「立っている」はそれぞれ単独で「人」という名詞を修飾しているわけではない。あくまで「あそこに立っている」と語句として名詞を修飾する形になっている。
だから、後ろから前への修飾となる。
あそこに立っている | 人 | ⇒ | the man |
|
standing over there | |
したがって、
The man standing over there | is | my father. | となる。 |
S | V(be) | P |
このように現在分詞の形容詞的用法は使われる。